映画と映像翻訳に魅せられて<3

鑑賞した映画と勉強になった翻訳を紹介!

さよなら、僕のマンハッタン

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原題:The Only Living Boy in New York
出演者:カラム・ターナージェフ・ブリッジスケイト・ベッキンセール
監督:マーク・ウェブ
脚本:アラン・ローブ
翻訳者:髙内朝子(字幕)
おすすめ度:★★★★★

 

<内容>
舞台はニューヨーク。大学卒業後に1人暮らしをはじめた青年が、隣人と、父の愛人との奇妙な出会いを通じて成長していく物語。

 

<感想>
脚本が素晴らしい!人生に悩む青年の物語だけかと思ったら後半はまさかの展開。涙目どころか号泣しました← 全体的にシンプルなのに、こんな感動する映画は久々に見ました。こういうことはめったにないので本当に出会って良かったです。
この作品について調べたところ、僕の好きな映画「ギフテッド」と同じ監督でした。作品の監督は普段気にしないのですが、あとから同じ監督だったんだと発見するとなんかドキッとしますよね。全く意識してなかった異性に恋に落ちたと悟る瞬間に似てる気がします。 「えっ?あたしこの人のこと好きだったの?えっ?あり得ない!」と思いながらもますます好きになっていくという…。

青年の成長物語だけでなく、恋人未満の関係、夫婦の関係、不倫の関係、親子の関係、隣人との関係、と人生における様々な人間関係も描かれていて色々と考えさせられます。学んだことは、「人間関係、本当に複雑!」の一言につきます笑 。その複雑さをどう上手く切り抜けるかが人生の幸せを左右するのではないでしょうか(青二才の意見)。人生経験まだまだ浅いですが、来る新たな人間関係を恐れずにうまく対処していこうと思います。面倒だからって何もしないと結局どんな人間関係も嫌になりますからね。とにかく、この映画はかなりオススメです!ぜひご鑑賞ください★

 

<勉強になった翻訳>
My mother’s unstable
Throwing dinner parties is how she medicates
母は不安定で
夕食会は薬代わりだ

Like she’s direct from god, you know?
Not second generation
“神が創った”って感じだ
人を介さずにね
◆ここは友達以上恋人未満のミミの美しさについて語るシーンですが、
Second generationは我々人間のことを指すのだと思います。
そこを「人を介さずに」と翻訳しています。秀逸ですね。パッと思いつかないですよ…。

What she didn’t anticipate was he’d surrendered too much of his past to give up on his future
だが彼は 未来を諦めるには
過去を手放しすぎていた
ここは青年の父親が電話で愛人にフラれるシーンです。
Surrendered his pastの訳し方が難しいなと思いました。「過去を手放す」はうまいなと思うものの、自分だったら「過去を捨てた」とまで翻訳し、以降は思考停止するのがみえみえですね。後半はバランス的にも意味的にも分かりやすく、マイ辞書にストックさせていただきました。